年金。いつからもらうのが得でしょうか?
- By: Seikatsu-life
- カテゴリー: 3_社会保険
私の妻、フルタイムで働いています。
本当に貴重な我が家の収入源です。ありがたいことです。
怒られるかもしれませんが、彼女の稼ぎがないとすぐに家計崩壊してしまいます。特に住宅ローンを抱えていますので、なおさらです。
ところで、2人とも人生の半ばを過ぎ、働いてからより定年の方が近くなってきました。
双方の職場の定年は60歳を超えた年度末。最後まで働くとすると同時に定年を迎えます。
ちょっとした話題の中でも、「年金が・・」とか「いつからもらうか」みたいな話題も出るようになってきました。
その過程で、年金をもらう前に亡くなったらどうなるの?ってちょっと考えてしまったのが始まりです。
老齢年金の仕組み
まずは基本となるべき老齢給付から、整理してみましょう。
生きている場合、すなわち加齢に伴ってもらえる給付が老齢給付です。
我が家の場合、私も妻も、月給取りなので、厚生年金に加入しています。
また大きくはあありませんが、厚生年金の他に企業年金もついています。一般には非常に恵まれた勤務先と言われる部類に入ります。
(ただし、肝心のお給料が・・・はとりあえずここでは置いておきます)
私たちの場合の年金制度(国民年金、厚生年金)
年金制度の管轄は日本年金機構です。
これによると、私たち(私と妻、ともに昭和48年生まれ)だと65歳から支給が原則とあります。また60歳から繰り上げ支給が可能です(減額調整されます)。
一方、70歳までの繰り下げ支給も可能なようです(こちらは増額調整されます)。
後々、具体の金額も計算していきたいと思いますが、だいたいの金額をつかんでおきたいと思います。
「平成27年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、65歳以上の男子平均で平成27年度現在の受給額平均は、月額で、178,928円だそう。これは基礎年金(国民年金)を含んだ数字です。妻はフルタイムに働いていらっしゃるので、仮に男子並の厚生年金を妻がもらえるとすれば、2人で月35万円あまり。悪くない気はします。
実際のところは、地域差(2人の勤めは北海道。東京など都会に比べると賃金も低いです)、男女差(実際のところは妻の給料は3割低い)等を考えるともっと低いと思います。後日詳しく計算したいと思います。
繰り上げ支給を考えてみます。
国民年金と厚生年金は、繰り上げ支給が可能です。
先ほどの「平成27年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金を全体の35.6%もの方が繰り上げて受給されています。ただし、新規の裁定者は10.9%です。最近の受給者は、殆どの方(87.1%)が65歳からの支給を選択されています。
受給額は1年繰り上げることに1回あたりの支給額が6%減額されます。(正しくは1月繰り上げるごとに0.5%です)
1) 給付金を受けとることに伴う、税金や社会保険料を考慮しない
2) 仮に65歳現在の平均余命まで生きる
とすれば、総支給額では、平均寿命の短い男性であっても、計算すると繰り上げない方が得になります。
メリットは、
- (死亡によってもらいそびれることなく) 確実に受給できること
- (所得税や住民税の)公的年金等控除を最大限利用できること
でしょうか。
一方デメリットは、
- 本来の支給額に比べて、少なくなること
- 該当者になっても障害年金の受給ができなくなること
- 未納や免除、未加入があり満額でない人が、任意加入ができなくなること
が挙げられます。
繰上のメリットを考えてみますと・・・
なんと言っても最大のメリットは確実に年金を受給できることです。
平成28年度簡易生命表によると60歳に達した人を分母とした場合、60歳から64歳の間に死亡する人の割合は男性で4.0%、女性で1.8%です。つまり、繰り上げ支給しないと1円も老齢年金をもらえない人の割合は男性で25人に1人、女性で60人に1人程度です。
(ちなみに、現在は特別支給の老齢年金が支給があるため、本当にもらえなくなるのは、厚生年金の加入者男性で、昭和36年4月2日以降生まれの方です。)
さてこの割合、多いでしょうか?少ないでしょうか?ここは個人の感性で変わってくるところかとも思います。
次に、障害年金です。障害年金は国民年金に加入している間、または20歳前(年金制度に加入していない期間)、もしくは60歳以上65歳未満(年金制度に加入していない期間で日本に住んでいる間)に、初診日(障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日)のある病気やケガで、法令により定められた障害等級表(1級・2級)による障害の状態にあるときは障害基礎年金が支給されます。(日本年金機構HP)
厚生年金の加入者は、障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金が支給されます。
また、障害の状態が2級に該当しない軽い程度の障害のときは3級の障害厚生年金が支給されます。
もっとも、障害年金と老齢年金の併給はできないので、いずれかを選択することになります。1級の場合は厚生年金が25%増しですが、2級3級の場合は老齢年金と同額です。
障害状態になる可能性は低いので、障害年金を受給する機会は小さいと思われますし、受給金額も老齢年金と大きくは変わらないといえます。もらったとしても65歳になると、老齢年金が障害にならなくとも支給されるわけですから、私の場合あんまりこの項目は気にしていません。
一応、障害年金は所得税や住民税は非課税ですので、実質的な受取額は老齢年金に比べて増えます。ただし国民健康保険では収入と見なされて、保険料額が決定されるようです。
繰上のデメリットは?
最大のデメリットは支給額が少なくなることです。ただし、これは考えようによってはメリットとなる部分も出て来ます。
まず支給額は、前述の通り、1年繰り上げることに1回あたりの支給額が6%減額されます。(正しくは1月繰り上げるごとに0.5%です)意図的に支給額を小さくできるわけです。
また、年金は一括して繰り上げなければいけないことになっています。基礎年金だけとか、厚生年金だけとか、(厚生年金基金だけとか、共済年金だけとかもです。)選択しての繰上ができないのです。一括して行う必要があります。
仮に60歳からの支給開始とすると30%減額になります。
一方受給すると、かかる税金や保険料。こちらは累進制になっており、受給額が大きい方が負担が大きい構造になっています。
65歳以上の場合、
税金面からは
- 所得税がかかる・・・158万円(公的年金等控除 120万円、基礎控除 38万円)
- 住民税がかかる・・・153万円(公的年金等控除 120万円、基礎控除 33万円)
- 配偶者の配偶者控除がうけられる・・・158万円(公的年金等控除 120万円、限度額38万円)
- 配偶者の配偶者特別控除(最高額)がうけられる・・・205万円 (公的年金等控除120万円、限度額 85万円)
健康保険の面では
- 配偶者(あるいは扶養者)の被扶養者になれる・・・180万円
- 高額療養費の負担額が増える、医療費の自己負担が増える(いずれも70歳以上の場合)・・・265万円(課税所得145万円、公的年金等控除 120万円)
このうち大きいのは、健康保険の180万と配偶者特別控除の205万、医療費の265万円です。
できれば180万円以内に収めたいところ。仮に60歳から繰り上げ受給を選択すると、本来支給額で257万円になります。
っとなると、繰り上げ受給が単純に受給額が下がって損とも言い切れない状況が出て来そうです。具体的に見積もってみる必要がありそうです。後日挑戦してみたいと思います。
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